顧客満足度10%結婚相談所のアドバイザーが使えない5つの理由〜ヘッダー

 

 経済通産省の調査によると、結婚相談所の会員が入会後に「期待以上」もしくは「期待通り」と回答している割合は、わずか10%であることが明らかになりました(出典:少子化時代の結婚産業の在り方に関する調査研究報告書)。

 

 つまり、顧客満足度10%−−− サービス業としてはあまりに低調な結果です。先のレポートでは、アドバイスやカウンセリングが十分に行われていないことを原因の一つとして示唆しています。

 

 結婚相談所はアドバイザーによる手厚いサポートを売り物にしているはず。しかし、実態は真逆ということです。この記事では信頼性の高いデーターに基づいて、結婚相談所のアドバイザーがなぜ「使えない」のか、その理由を明らかにします。ぜひ参考にしてください。

 

この記事の著者:青木一郎

40代婚活サービス主催 青木一郎

ベストセラー「40歳からのモテる技術」の著者&中年専門の婚活コンサルタント。40代の婚活に最も精通していると自任している。自身も49歳で24歳年下の女性と結婚した。

 

理由その1.ノウハウがない

 

 現代ニッポンにおいて、ほぼ100%が恋愛結婚。相手を好きになって結婚するのです。これは結婚相談所でも同じこと。婚活が成功するか否かを左右するのは恋愛力です。だから、結婚相談所のアドバイザーに最も求められるのは恋愛ノウハウなのです。

 

 しかし、結婚相談所のアドバイザーには、恋愛ノウハウがありません。実際、先の経済通産省の調査では、結婚相談所の会員は「異性の気持ちを知る方法」や「自分の評価を高める方法」などの恋愛ノウハウを求めているにもかかわらず、ほとんど提供されていないのが実態である、と指摘しています。

 

 確かに、結婚相談所のホームページでは、アドバイザーが異性関係のスペシャリストで、恋愛ノウハウを提供するするとは、どこにも書いてありません。

 

理由その2.一人で150名の会員を担当=時間がない

 

 ノウハウがないだけでなく、物理的な時間もありません。彼女(彼ら)は大人数の会員をサポートしているので、一人ひとりの顧客に向き合う時間が十分とれないのです。例えば、業界最大手のオーネットは、一人のアドバイザーが約150名の会員を担当、同じく大手のIBJも約100名の会員を担当しています。(注記1)

 

 アドバイスの大半は、入会案内・システムの登録・操作ガイドやお見合いの段取りに関すること。先の「異性の気持ちを知る方法」や「自分の評価を高める方法」など、本来のアドバイス業務を行う時間などほとんど取れないのが実態です。

 

 会員数やアドバイザーの数、実働労働時間・日数、業務内容から推定すると、本来のアドバイス業務を行う時間は、せいぜい月に数分程度しかありません。(注記2)

 

 私の経験上、一人のクライアントの状況を把握し、活動計画案を作成するだけでも10時間程度かかります。ただが数分で、どうやって有効なアドバイスをするのでしょうか。

 

理由その3.アドバイザーの実態は営業

 

 そもそもアドバイス業務に特化していないので、多くの会員が入会した後に「放置されている」と感じてしまいます。例えば、婚活ライターとして有名な石神賢介いわく

 

 かつて記者として働いた雑誌で結婚特集や出会い特集を担当した時の取材で、大手結婚相談所のいい加減さをかなり聞かされていた。

 

(中略)入会後には放置される。毎月お見合い候補を紹介されるものの、あくまでもシステマティックに行われるだけだ。入会し、集金が終わった会員に対して手間をかけたくないからだ。(出典:石神賢介著「アラフィフ婚活」飛鳥新社刊)

 

 

こうした残念な状況の背景には、結婚相談所のアドバイザーが営業の役割を兼務していることがあげられます。新規の会員を獲得するとコミッションが貰えることもあり、既存の会員は放ったらかしにされてしまうのです。

 

 以下はある大手結婚相談所のアドバイザーの募集要領です。アドバイザーの実態は営業である、といいうことが端的に示されています。既存会員に対し、本気でアドバイス業務に取り組む気があるようには思えません。

 

結婚相談所のアドバイザーの実態はアップセールスの営業

 

理由その4.副業や趣味のレベルで行っているから

 

 経済通産省の調査によると、結婚相談所の7割が個人事業主で、「個人が副業や趣味のレベルで事業を行っている」と分析しています。実際、結婚相談所の連盟(=フランチャイズの本部)は、子育て中の主婦や副業を探している人に対して、「自宅で始められる」として開業を勧めています。

 

結婚相談所のあきれた実態。個人が副業や趣味レベルで行っている

 

 結婚相談所の連盟(=フランチャイズの本部)は、開業すれば百数十万円の加入料、月に数万円以上のシステム使用料を稼げるので、こうした安直な募集をしているのでしょう。大手も似たり寄ったりで、「経験不問」「未経験者歓迎」として間口を広くアドバイザーを募集しています。

 

 しかし本来は、「異性関係のスペシャリスト」で「現状把握と分析能力に長けて」、「高度なコミュニケーション能力を有する」人を募集するべきではないでしょうか?

 

 儲け優先の安直な行為のしわ寄せは会員にきます。先の顧客満足度10%というのは、当然の帰結なのです。

 

理由その5.方法論がないから、なぜダメなのかフィードバックできない

 

 例えば、お見合いを断られ続ける男性に対して、なぜ女性陣がダメ出しをするのか明らかにする術がありません。だから、結婚相談所のアドバイザーは「●●さんは、笑顔が少ないから…」などの観念的な印象論に終始して、見当違いのアドバイスをしてしまいます。

 

 ここで、私の方法論の一旦をお話しましょう。お見合いに連敗するのは、外見やデート場所の問題を除くと、女性との会話が下手なことが主たる原因です。だからといって、「聞き上手になりましょう」とか、「相づちや頷きをしてください」といった類のアドバイスは何の役にも立ちません。会話力の改善に一般解はないからです。

 

 一人ひとりダメな原因が異なります。“聞き上手になれない原因”、“相づちや頷きしても会話が盛り上がらない原因”は一人ひとり異なるのです。

 

 そこで私のコンサルティングでは、実際にお見合い(=初デート)中の会話を1〜2時間録音してもらい、一つひとつの会話のやりとりを分析することで、ダメな原因を特定しています。録音した会話は全て文章化するので、どのやりとりが不味かったのか可視化でき、ダメな会話のクセやパターンも具体的に把握できます。

 

 こうして事実関係をしっかり把握した上でアドバイスするので、観念論や印象論に流れることなく、クライアント様の琴線に響く具体的な改善提案をすることができるのだ、と自負しています。(実際に、女性との会話のあり方が一変していることを何度も確認しています)。ちなみに、このメソッドも録音データーの文書化→解析→改善提案のまとめ→フィードバックに10時間程度かかります。

 

 結婚相談所は、相談者の悩みに的確にアドバイスするために、どんな方法論を持っているのでしょうか。アドバイザーによる手厚いサポートを売り文句にしている以上、会員のニーズに対応できる方法論があることは必須、と思うのは私だけでしょうか。

 

 

 

(注1)アドバイザー一人あたりの担当人数の算定根拠と出典

  • オーネット:41,280人の会員に対して、アドバイザーは271名。一人で152名の会員を担当。会員数は2015年4月1日、アドバイザー数は同年1月1日時点の数値。出典はオーネットHP。
  • IBJ:2013年4月〜5月の同社カウンセラー募集要領に一人当たりの担当人数の記載あり。

 

(注2)本来のアドバイス時間の算定根拠

 オーネットHPに記載の「結婚アドバーザーの募集要項」から、以下のとおり推量。

 

【前提】

  • 業務内容:①来社した見込み客にオーネットのサービスを説明、入会をすすめる。②入会手続きを行う。③担当する会員の入会から成婚までをサポートする(当該募集要項に記載)。
  • 労働時間:1日あたり実働7時間45分、1ヶ月21日勤務(当該募集要項に記載)。
  • 時間配分:対顧客業務の割合を80%、上記①〜③の業務の割合は3分の1均等と仮定。

【会員サポート時間の算出】

  • 上記業務内容③の時間の算定:7時間45分/日×21日/月×0.8÷152人÷3=17分
  • アドバイス業務時間の算定:③はお見合いのセッティングや照会業務が含まれるため、本来のアドバイス業務を30%と仮定。17分×30%=5分/月・会員