10年後、40代の独身男性は幸せなのか?

 

 40代の独身男性で、婚活をしている人の割合は意外に低く、約13パーセントという調査結果があります(*1)。40代の独身男性のほとんどは、現状に満足しているか(いわゆる「独身貴族」)、あるいは多少の不満を抱えながらも、独身生活を不自由には思っていないのでしょう。

 

 10年後、そうした40代の独身男性は幸せなのでしょうか ——

 

 当事者は、将来に漠然とした不安を感じながらも、そこには目をつぶり毎日をやり過ごしています。しかし何もしないままなら、10年後は確実に“50代で独身”という現実に直面します。

 

 10年後、50代の独身のあなたは幸せなのか否か。この記事では、独身男性に対する意識調査、そして精神科医などの意見を交えながら、40代の独身男性が抱える4つの将来リスクを紹介したいと思います。ぜひ参考にしてください。

 

この記事の著者:青木一郎

40代婚活サービス主催 青木一郎

ベストセラー「40歳からのモテる技術」の著者&中年専門の婚活コンサルタント。40代の婚活に最も精通していると自任している。自身も49歳で24歳年下の女性と結婚した。

 

1.休日にはほとんど声を発しない → 認知症のリスク

 

 40代の独身男性でありがちなのが、「休日にほとんど声を発しないことが多い」というもの。ある調査によると62%の人が自分に当てはまると回答しています(*2)。回答者のコメントを読むと、「1日ずっと喋っていないと、コンビニで会計するときに痰が絡まって困る」など「確かにあるー」と共感の雄叫びをあげたくなる話もありました。

 

 40代になると周囲の知人はほとんど結婚してしまい、遊び仲間が激減します。だから、休みの日は一人で過ごすことが多くなるのでしょう。しかし、このライフスタイルは危険です。認知症の危険を孕んでいるからです。

 

 精神科医の春日武彦氏によると、「認知症の危険因子は孤独であることがわかっています。『休日にほとんど声を発しない』まま、50代に突入すれば認知症コース(=認知症に発症する確率が高くなる)」とのこと(*2)。

 

 今はいいかもしれませんが、脳機能が衰える50代には認知症のリスクが高まるということです。「最近、物忘れが激しくて・・・」などと軽口を叩けない状況に陥っているかもしれません。もしそうなれば私生活だけでなく、仕事にも深刻な影響をおよぼすことは必至の情勢です。

 

10年後、40代の独身者は幸せか。さらに孤独感が強まる。

 

 この話を聞いて、「俺には当てはまらないよー」と感じる人もいるでしょう。恐らく、プライベートが充実している「独身貴族」や「リア充」と称される人たちには他人事かもしれません。

 

 かくゆう私もそうでした。遊び仲間が多く、アフター5や週末はイベントで盛りだくさん。「休日はほとんど声を発しない」ことは皆無だったからです。そんな私も48歳を過ぎたころから、心に「虚しさ」を抱えるようになりました。これが中高年の独身男性を襲う第二のリスクです。

 

2.人生をどこかで間違えたと思う → うつ病リスク

 

 私に限らず、40代独身男性の多くが人生に「虚しさ」を覚えるようです。先の調査でも「『人生をどこかで間違えた』と思うことが多い」(54.3%)とか、他人の人生と自分の人生をつい比較してしまう」(38.3%)など、虚しさを暗示する回答が目立ちます。

 

 こうした精神状態のまま50代を向かえるとどうなるでしょうか?

 

 体力の衰えがトリガーになって、うつ病を発症するリスクが跳ね上がります。うつ病は男女共に50代になってから急速に増えますが、これは体力の衰えと共に精神は不安定になるという背景があるからです。

 

 精神科医の春日武彦氏によると、「既婚者は『なんだかんだ言って、俺はちゃんと家庭も持ったし子供も育てた』というのを心の支えにできます」。その一方で50代の独身者は「俺の人生はなんて無意味だったのだろう。もう生きていてもムダだ」などと追い詰められやすいそうです(*2)。

 

10年後、40代の独身者は幸せか。精神状態はさらに不安定に

 

 この話、すとんと腹に落ちました。私の場合、兄弟が堅実な家庭を築いていて、ある日突然、刹那的な生活をおくっている自分とのギャップに愕然とし、自らの人生に虚しさを感じるようになったからです。

 

 昔から「バカは風邪をひかない」といわれます。同じように、鈍感な私は「うつ病にならない」と高を括っていました。しかし、50代に突入して体力がガタと落ちたら、想定外の事態が待ち構えていたのかもしれません。

 

3.筋金入りの変わり者になる → 周囲から孤立するリスク

 

 以前、私がワインスクールに通っていたとき、「エロ教授」と呼ばれた50代の独身男性がいました。この人は超一流大学の教授で、新聞の社会面や経済面にときどき、デカデカとコメントが載るような「識者」でした。しかし、スクールの懇親会など女性を目の前にしてお酒が入ると、単なるエロおやじ(というか、かなり品性下劣なエロおやじ)に成り下がるので、「エロ教授」と陰で呼ばれていたのです。

 

 この人と一緒になったのは、Tというワインスクールの初級者向けの半年コース。このコースはクラスメイト同士が仲良くなれる様々なプログラムがあって、しかも女性比率が8割以上。だから、たくさんの「出会い」が期待できる穴場でした。このエロ教授、この初級コースを毎年受講しているのです。ワインの知識はとっくに初級レベルを卒業しているにもかかわらず。しかも、TだけでなくAというスクールにも併せて通っているというから尋常じゃありません。

 

 セクハラ行為で女性陣からは気持ち悪がられ、場の空気を読めないので男性たちからは疎まれているのに、当の本人は我関せず、なのです。完全に孤立していることさえ気がついていない。こうした「筋金入り」の変人が、50代の独身者にどういうわけか多いと感じるのは私だけでしょうか。

 

10年後、40代の独身者は幸せか。周囲から変人扱いされる

 

 これは臨床学的に説明がつく話のようです。先の精神科医の春日武彦氏によれば、長期間にわたって一人で暮らしていると他者の視点が抜け落ちてしまい、当たり前と異常の差がわからなくなってくるそうです。

 

 だから、「どうせ洗っても汚れるんだから、などと妙に合理的な理屈をつけて、ずっと同じ服を着続けたり、真夏日にエアコンもつけないで脱水症状になって発見されたり・・・」(春日氏談)(*2)筋金入りの変人になるというわけですねー。そして、ドンドン周囲の世界から孤立して、さらに孤独感を深めていくのでしょう。

 

4.50代独身者→リストラの標的になるリスク

 

 2011年の米国の国勢調査によると、既婚男性の平均年収が約5万5千ドル(約660万円)であるのに対して、独身男性のそれは約3万4千ドル(約408万円)だそうです。既婚男性の方が約6割も多く稼いでいるのです。

 

 日本でも同じ状況ではないでしょうか。同類の調査はみかけませんが、40代の独身男性ともなると、担当する業務や昇進で既婚者に差がつけられていることを感じる機会が多いのではないかと思います。

 

 未だ日本には「家庭を持って一人前」という風潮があり、仕事場においても独身者に対する偏見が存在します。まして40代で未婚なら、「『協調性がない』とか『コミュニケーションスキルがない』と見なされ管理職には向いていないと見なされることも大いにありえます」(労働ジャーナリスト 溝上憲文氏談)(*2)。

 

 最大のリスクは、リストラの標的になりやすいということでしょう。リストラを言い渡す人の気持ちを想像してください。子供の進学を控えて何かと入り用の50代の既婚者と、身持ちの軽い50代の独身者、どちらをリストラ対象者に選ぶでしょうか?

 

10年後、40代の独身者は幸せか。リストラの標的にされやすい

 

 経済的な基盤は幸せの礎です。それが根底から揺るぎかねないリスクがあるということを、40代の独身男性は自らの未来予想図の中に描く必要があるのかもしれません。

 

(*1)出典:明治安田福祉研究所「第8回 結婚・出産に関する調査より」

(*2)出典:週刊SPA! 「45歳独身男の悲惨な現状」2013年8月13号)

 

そして、気になる「40代のうちに結婚しないと、50代の婚活は厳しい—5つの実態」も要チェック!